(感想)フラクタル 第9話「追いつめられて」
第9話 「追いつめられて」
一人がひとりとして存在を認識してもらえる、これってすごく
幸せなことなのかも知れません。だってそれは、他者と比べて
その人にとって特別、の存在になったということなのだから・・・

・クレイン 小林ゆう ・大爺 西村知道
・フリュネ 津田美波 ・大婆 千々松幸子
・ネッサ 花澤香菜 ・チカゲ 丸山ゆう
・スンダ 浅沼晋太郎 ・ツナミ 吉田安愉子
・エンリ 井口裕香 ・チカゲ 丸山ゆう
・モーラン 島本須美 ・ダイダラ 松丸幸太郎
・バロー 宮本 充 ・ゴーワン 白石 稔
・サンコ 今野宏美 ・町の代表 堂坂晃三
・タカミー 宮下栄治 ・町の人 椙山貴夫
・ディアス 前野智昭 ・老年のリーダー 倉富 亮
【スタッフ】
・脚本 吉野弘幸
・絵コンテ 伊藤祐毅
・演出 伊藤祐毅
・作画監督 近岡 直・赤井俊文
【オープニング・エンディングテーマ】
・OP:『ハリネズミ』 (歌:AZUMA HITOMI)
・ED:『サリーガーデン』(歌:AZUMA HITOMI)
【あらすじ】
地下施設からなんとか生還したクレインとフリュネはグラニッツの
メンバーと合流する。フリュネとネッサの秘密……そして「鍵」の
秘密をを知るクレイン。フリュネもネッサも自分にとって大切な人
だとクレインは二人を守る決意を固める。
そんな中ロスミレ派の村が僧院により次々に攻撃されグラニッツの
村も襲撃されてしまう。ロスミレ派はこれを機に僧院に総攻撃をか
ける事に。スンダはフリュネとネッサを守るようにとクレインに言うが……。
"二人は一つに、カギに・・・"

研究所は跡形もなく吹き飛び、あの気持ち悪いオヤジも
死んだかと思ってたらしぶとくも生き延びていましたね汗
そしてここで御坂妹みたいな型番号付きで呼ばれる祭司長。
それにフリュネも。フリュネが言うに、彼女は所詮は量産
可能な肉の器でしかない、と。あの研究所で作られていた
子供姿のフリュネも、だからフリュネだし、感情に乏しい。
それは中身がネッサだから。ネッサがどうやらフラクタル
の元になったオリジナルの少女であり、少女に宿っていた
人格・心そのものということらしいですね。
二人が一つに、その時フラクタルを再起動することが出来
るというのは、つまりオリジナルを再び人工的に生み出す
ということに等しいということでしょうね。つまり再起動
というよりは、再びそれを使ってシステム構築に近いのかな。
"量産、ただの器、人格、心"

なるほど、たしかにそれを聞いてしまうと二人が二人として
独立した存在意義を持っているかと聞かれれば、フラクタル
という視点からでは、ノーと言われてしまうでしょうね。
ネッサには価値がある、オリジナルの人格だから。ではなぜ
フリュネが追いかけられるのか、量産出来るにも関わらず・・・
たぶん、優秀な個体、だったんでしょうね。祭司長にも番号
が付けられていることから、彼女も恐らくは、フリュネ・・・。
モーランだけど、フリュネ。たぶん。何が言いたいか、あれ
だけの数がいながら祭司長は一人、それに、研究所で出来損
ないとして処分されてしまっていたことを考えると、みなが
みな、同じ能力とかではないのでしょうね。それに思い返せ
ば、クレインを救ってくれた子にも、心、感情が見えました。
・・・そうか、感情、なのかもしれませんね。オリジナルの人格、
心としてはネッサがいますが、ただの器であるはずのフリュネ
にも感情があります。祭司長にだって。感情が宿る器にはこの
オリジナルも適合する、なんてことがあるかもしれませんね。
そう考えると、オリジナルの人格がカギの一部となっている
フラクタルシステムの仕組みの一端が見えてくるかも。好き
が好き、嬉しいのが嬉しい、悲しいのは悲しい、痛いのは嫌。
皆の欲望を相互的に満たすフラクタル、その実は、気のまま、
感情のままに、正の感情へと誘い満たすシステムと考られる
かもしれませんね。
"ネッサはネッサ、フリュネはフリュネ"

でも、クレインはスパンと、そんな柵のような、宿命のような
悲しい境遇、存在意義なんて関係ない!とはっきりと告げました。
"ネッサはネッサ"で、"フリュネはフリュネ"
これは二人にとってどれほど嬉しく、心強いものか計り知れま
せんよね。二人でひとつの存在として、ただのカギとして考え
られるのではなく、一人がひとりとして、存在を感じてもらえ
るのですから。
前回の言葉もまたここで生きてきてますよ。その人の大切な人
になれば、それはもう代えがきく存在ではない、唯一の人になる。
なんて、かしこまってじぶんは考えちゃいましたが、クレイン
からすれば、そんなことをいちいち細かく考えてはないでしょう。
ただ心になる気持ちは、二人とも、ネッサも、フリュネも自身
にとって大切な存在であり、大好きだということ、もうこれだけ
でしょうね☆!・・・でも、その気持ち・感情が二人に元気を与えました!!
"決戦前夜"

・・・・・。
・・・・・死亡フラグ立てまくってるな、ってさすがにじぶん
も思ってしまいましたねぇ~・・・汗
僧院はいよいよロスミレに痺れを切らして各地の村を祭司長の
勅命で攻撃し始めました。この僧院って、存在がイマイチよく
掴めませんよね。なんだかんだで殺しも平気でしてしまうし・・・
神聖不殺と誓う存在というよりは独裁者に近い気がしますよね。
これはフラクタルの始まりが気になります。フラクタルは一人
の少女が元になったと言っている、つまり最初はこんなシステム
で動く存在ではなかったんじゃないか、なんて思えてきません?
まぁ、いよいよ全面戦争も始まりますし、クライマックスも近い
ので、次回以降2話のストーリーを楽しみに待つと致しましょう!
"いつまでもずっと、一緒に・・・"

ほんの半日ほどしか続かなかった、3人の約束。
いい感じのあの昼の星の歌も流れ、黄金色に輝く平原の草は風に
たなびき、葉擦れの音がサラサラと流れ聞こえてくる。外の椅子
に3人で座って、平和そのものに笑顔が満ちた時間が流れていく。
まるでジブリ、と言われても仕様がないほど、ジブリでしたが、
それはつまり雰囲気が似ているということで、今見ているじぶん
も含め、この3人に、のどかな、暖かい雰囲気を感じたということ。
たしかに、この場面だけを切り取ったならば、幸せで、嬉しいが
たくさんあって、好きがたくさんあるほのぼのジブリでしたね☆
でも、その時間、約束はわずかの半日の出来事。フリュネは一人、
僧院へモーラン祭司長とあの変態パパンを説得すべく去ってしまう。
どうしてそんな面倒で、危険なことを、幸せな時間を捨てて・・・?
まさにそれが理由なんでしょうね。幸せな時間を、これからずっと、
みんなで送りたいからこそ、フリュネはひとり向かったのでしょう。
"終結へ動き出す物語"


そしていよいよ物語は結末へと大きく、激しく動き始めました!
スンダたちロスミレは僧院へ死力を尽くして総攻撃を、そして
クレインとネッサは、ひとり去ったフリュネを連れ戻すべく、
同じく、僧院へ。
ここに、結局、すべてのピースが一どころに揃うことになります。
動き出し、決着が着くまでもう止まることはないであろう歯車
が今、完全に動き出してしまいました。果たして、結末はどの
ようなものになるのでしょうか。
幸せの形が違うゆえに、幸せを巡って、幸せを形成するはずの
フラクタルを巡って争い、幸せは奪われていく。
物語は、本当に、果たしてどのような結末を迎えるのでしょうか?
次回以降、ラストまで駆け抜けるストーリーに期待・注目ですね。
<過去記事>
・第1話 「出会い」
・第2話 「ネッサ」
・第3話 「グラニッツの村」
・第4話 「出発」
・第5話 「旅路」
・第6話 「最果ての町」
・第7話 「虚飾の街」
・第8話 「地下の秘密」

でわまた。。。
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