(感想)閃光のナイトレイド 第1話「救出行」
第1話 「救出行」
【メインキャスト】
・三好 葵 吉野裕行
・伊波 葛 浪川大輔
・苑樹雪菜 生田善子
・鍵谷 棗 星野貴紀
・桜井信一郎 大林隆介
【スタッフ】
・脚本 大西信介
・絵コンテ 松本 淳
・演出 ヤマトナオミチ
・作画監督 佐々木啓悟
【オープニング・エンディングテーマ】
・OP:『約束』 (歌:ムック)
・ED:『未来へ・・・』(歌:HIMEKA)
【あらすじ】
魔都と呼ばれた1930年代の上海。雑多な人種や国籍、階層、さまざまな人々が入り
乱れる混沌とした、だがエネルギー溢れるその街で、日本人の財閥が誘拐されると
いう事件が起こる。駐留する日本軍との武器取引を目論む地方軍閥の仕業らしい。
人質を救出すべく、軍閥の本拠に潜入する四人の若者たち。葵、葛、棗、雪菜、と
それぞれに花の名を冠し、桜井機関と呼ばれる諜報機関に属する彼らは特殊な能力
を持っていた。
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春期新作アニメ作品であり、アニメノチカラ第2弾作品『閃光のナイトレイド』
その舞台となるのが1931年の中国・上海。魔都と呼ばれしこの街で物語は進んで
いく・・・。
まず率直な意見として、非常に面白かった!
時代や場所といった舞台設定がそもそもとても興味がわくものとなっているとい
うのもあるが、それにもまして、初回とはいえ"ストーリー全体"の持つ躍動感とい
うものがすごかったと思う。簡単に言えば、見ているものをあきさせないものが
あるということだ。実際、じぶんは起床したばかりなのに画面に吸い込まれるよ
うに見入ってしまった。まるでじぶんが上海に存在し、目の前でその出来事を目
撃しているかのような感覚になった。今のところ個人的には今期トップクラスの
興味を持たせてもらった。これからの展開が気になって仕方ない。
ところで、本作品はアニメノチカラ第2弾作品であり、やはり前作であるところ
の『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』(以下"前作"と表記)とどこかしらで比べられるかもし
れない。なので先手を打ってじぶんも基本的な部分で比較してみようと思う。
まずはなんといっても前作において絶賛を受けていた背景などを含む作画につい
てだが、前作と比べてまったく遜色はなかったと断言しよう。
前作では特に砦や周りの自然環境の描写が非常に美しく、まるで風景画を見てい
るような気がするほどであったが、本作品では上海の町並みがこれまた非常に丁
寧に、かつ緻密に描かれていた。この部分もまた見ている側を画面に釘付けにさ
せる、ひいては世界観を共有、むしろ世界に入り込ませるのに一役買っているの
は間違いないだろう。
次に作品のスタイルの違いについて。前作では多くのアニメ評論・考察をなさっ
ている人を苦しめるほどの情報の少なさが有名だった、色々な推測が飛び交うよ
うな作品となったことは記憶に新しい。しかし本作品ではまったくもってその逆
を行っていると感じた。そもそも時代設定から、大陸に進出した大日本帝国陸軍
と中国が、中国では地方軍閥と国民党が、時に銃砲を持って、時に水面下での陰
謀によって、激しく争いあった東アジア争乱期である。
特に本作品では、"桜井機関"なる特殊諜報組織が軸と成る後者を描いたものとな
ているため、"情報量"こそがすべてとなる。たしかに前作とはスタンス自体根本
から違うので比較といってしまうのには多少語弊があるのかもしれないが、あえ
て比べるならばこの部分は大きな違いといえるだろう。スパイ組織である桜井機
関を描いているが故に、本作品の内容をつかむのにも、彼らが物語の中で得た情
報というものが必要になるし、その部分の情報は視聴者側にも公開されているも
のであった。
余談として、描いている内容について。前作では主に砦の乙女たちの過去をちり
ばめて描写をすることで日常のエピソードを描くほのぼのストーリーを思わせつ
つ、シリアスな雰囲気、彼女らの心情や葛藤などといった心理描写がなされると
いうものになっていた。
それに対し本作品では、上で書いたとおりの情報戦、つまり表立って大勢で銃を
撃ち合う戦争を描いているものではないのは明白だ。描いているものは諜報や暗
躍といった水面下戦争。そういった面で見れば前作の乙女たちの日常と心理とい
うのとはかけ離れた構成となっているのもまた明白である。
そして最後にキャストについて。こちらは前作同様、実力派を揃えつつ新人を起
用するという形態となっている。今回、前作の金元寿子さんのポジションにいる
のは苑樹雪菜役の生田善子さんだ。彼女の演技は初めて見させていただいたわけ
だが、感想としては"ひどいというわけではない"というのが正直なところだである。
つまるところ、特に演技が棒読みとなってしまっているというわけでもなく、だ
からといって輝いた演技をしているというわけでもない、無難といったところと
いう意味だ。しかし、まだまだ経験が浅いということもあるので、今後の演技の
磨きあがりに期待したい。
また、話は変わるがこれは忘れてはいけないだろう、というのがメインキャスト
の方々による中国語による会話だ。これはPVにもあったように相当の苦労をな
さったようだ。じぶんは大学で中国語を去年1年ならったのだが、付け焼き刃で
あれは相当すごいだろと思う。改めて、声優という職業の難しさ、方々の努力、
真剣に作品を完成させようとする熱意を感じた。
ということで、初回ということもあって話の内容に触れたものというよりも作品
全体を見渡した話を今回はさせていただいた。見ての通り、最近ではまた書かな
かったようながっつりな考察調、そして文体口調となっている。じぶんでいうの
もあれだが、けっこう真面目に本作と向き合おうとしている証拠である。
さらに私事ではあるが、もともと歴史、特にこの時代などはかなり好きな時代で
あるため、そういった面でもかなりわくわくするものがある。これから1クール、
この作品とはまっすぐ付き合っていきたいと思っている。
<追記>
書きたいことがもうすこしだけあったので追記させていただこうかと思う。
上で触れるのを忘れてしまっていたのだが曲について。今回最後に流れたあの曲
『約束』はエンディングにぴったりな雰囲気だったが実はオープニングだったり
する。しかしそんなことは関係なしに、すごくいい感じだった。それこそ暗躍す
る組織を描いたドラマの最後を締めくくるにふさわしいようなかっこいいものと
なっていた。これは貧乏学生ではあるがCDを買わなければならないな、なんて
覚悟を決めてしまった。前作でもオープニングはかなり好評だったが、それは曲
単体のよさはもちろん大事なのだが、アニメ作品の中でのオープニングで見るな
らば、以下に作品の雰囲気と合致しているかが重要と成ってくる。そういった意
味も含めて、本作のものは素晴らしいと思った。
決してあとは映像がいかなるものと成っているのかがとても気になるところだ。
ここまできてオープニング詐欺はないだろう、心配はせず、期待だけをしたい。
最後に、これはじぶんの主義に反するのだが、どうしても言ってしまいたいので
今回だけは見逃してもらいた。
放送前にあれほど"作画のクオリティーがすごい"だのと言っていた作品はどこの
どいつだっただろうか?本作品の前で果たしてそんなことをいえるだろうか?
もう有名だが、作画のきれいさ云々以前に、描写ミスが目立つというのは一体ど
うしたものなのだろうか・・・
前回の感想では作画にあえて触れないでおいたが、やはりこればっかりは考えて
しまう。
あの作品は、話自体も先がなんとなく読めてしまうが、それでもじぶんは世間の
評判は関係なく、ストーリーに期待している。なのでせめてもの願いとしてだが、
第2話ではこういった最低レベルくらいはクリアしていてもらいたいものだ・・・。
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でわまた。。。
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