(感想)フラクタル 第11話「楽園」
フラクタル
第11話(最終回) 「楽園」
結局、"フラクタルシステム"と"幸せ"は関係なかったのでしょう。
システムがあろうがなかろうが、"幸せ"は人の心の中に芽生えるものだから・・・

第11話(最終回) 「楽園」
結局、"フラクタルシステム"と"幸せ"は関係なかったのでしょう。
システムがあろうがなかろうが、"幸せ"は人の心の中に芽生えるものだから・・・

【キャスト】
・クレイン 小林ゆう ・大爺 西村知道
・フリュネ 津田美波 ・ダイダラ 松丸幸太郎
・ネッサ 花澤香菜 ・ゴーワン 白石 稔
・スンダ 浅沼晋太郎 ・兵士 倉富 亮
・エンリ 井口裕香 ・アラバスターの女 前田このみ
・モーラン 島本須美 ・老巫女 丸山ゆう
・バロー 宮本 充 ・アラバスターの兵 椙山貴夫
・サンコ 今野宏美
・タカミー 宮下栄治
・ディアス 前野智昭
【スタッフ】
・脚本 岡田麿里
・絵コンテ 山本 寛・吉岡 忍・牧原亮太郎
・演出 山本 寛
・作画監督 河合拓也・浅野直之
【オープニング・エンディングテーマ・挿入歌】
・OP :『ハリネズミ』 (歌:AZUMA HITOMI)
・ED :『Down By The Salley Gardens』(歌:AZUMA HITOMI)
・挿入歌:『昼の星』
【あらすじ】
フラクタル・システムを巡った激しい攻防。
システムの再起動を強行するモーラン、阻止しようとするディアス、
混乱の渦に巻き込まれたクレインは、ある重大な選択を託される……。
"この世界を好きになれるかも知れない"
すべてが自動化され、どこまでも便利が追求された世界、それを
人々は"楽園"と呼びました。その"楽園"を形成するフラクタルは
笑顔が一杯、好きが好き、そんな無垢な明るい少女の思いの結晶
によって紡がれた装置、だからこそ人々は"幸せ"を感じられる。
だがその幸せは、まるで無機質のような幸せ。感情豊かな少女の
結晶が紡ぎ出した幸せのはずなのに、いつの間にか優しく暖かい
"気持ち"が抜け落ち、上辺面の便利さ、つまり"楽さ"が"楽園"へ、
そしてそれが"幸せ"へと摩り替わってしまっていましたね。
そんな世界が嫌だったフリュネが、クレインのおかげでこの世界
を好きになれるかもと言ったことには大きな変化を感じることが
出来ますよね。上辺面じゃない"気持ち"を感じることが出来た事、
無機物さではなく、温もりを持った"幸せ"を感じられたこと・・・。
それが、フリュネの考えに、思いに大きな変化を与えたと。
出会ったあの日からこの瞬間までの時間、物語すべてには意味が
あり、少しずつ積み重ねられた思いが今、大きな変化をもたらす。
この世界にも大切な人は出来る、大切な思いを抱くことも出来る。
そしてそれを本気で守りたいと思うことが出来るんだ。
すでにそれらがフラクタルにより失われてしまった世界だけども、
でもフラクタルがあるからこそ失われた世界のどこかには対抗を
したいと思う人たちが出てこれる、"守りたい"気持ちを抱ける、
フラクタルが今壊れては、その対抗心から人間らしさを取り戻す
時間を与えるまもなく、大多数の人々は苦しむだけになる。でも
フラクタルがあれば、時間を稼ぐことが出来る。稼いでどうなる?
なにも変わらないのでは?いえ違う、フラクタルの恩恵にドップリ
浸かっていた人でも、きっかけがあれば変われるのだから、その
ような人に私はたくさんの気持ちをもらった、ねぇクレイン?
だからこの世界は、まだまだ紡ぎ出せる本当の幸せが一杯なのよ!!
まさにこういうことがあの"この世界を好きになれるかも知れない"
の言葉の裏側にはあるんじゃないかな、とじぶんは感じましたね。
"再起動後の世界"
再起動は果たしても、すでに僧院はなく、二度と再起動をすること
は出来ない、でも、時間はまだ何百年も残されている。その間に、
人々は人間らしさを取り戻し、無機質な幸せから温もりを持った
幸せを抱けるように・・・
フラクタルは再起動出来なくても、その与えられた猶予期間の内に
人間側の気持ちを再起動していけばいいだけの話、ですよね。
完全なる便利に支配された楽園的生活からの脱却は考えただけなら
難しいかも知れない、でもクレインを見ればいい、自炊。これだけ
でもすでに第一歩を踏み出せる。いきなり自作農業とかでなくていい。
分からない人には教えてあげればいい、また一歩前へと進めるよ。
そうして少しずつ、少しずつ前へと進んでいけばいいだけの話。
最後のエンリやクレインのシーンではそういうことをほんの一瞬の
描写だけで、すべてを物語ってくれてましたね。
"ありがとう、クレイン"
ありがとう。嬉しい、寂しい、悲しい、けど暖かい、
私、今幸せ。暖かい、優しい、嬉しい、触れる幸せ、
そこにいるのはフリュネではなくネッサ、ネッサでなくフリュネ、
二人は二人、そして三人でずっと一緒、こぼれ落ちたと思っていた
幸せは今目の前に帰ってきて、でも帰ってきてなくて。
感じる気持ちはたくさん溢れて、どれがホントかわからない、
でも、全部をひっくるめた答えだけは眼に見える、クレインの涙。
ここを見た時に感じることは人それぞれではないかと思うんですよね。
良かったな、と思う人。寂しいなと思う人。答えは示されぬまま、
ラストは写真でのクレインとかつてのフリュネの姿。
だからこそ迷う、感じる違いが出る。帰ってきてよかったね?
帰ってきたようで帰っては来なかった悲しいね?
ここは、視聴している皆さんが感じるままに結末を紡ぐ所ですよ。
<総括>
心温まる、それでいて今私達がいる現実世界ともリンクしている、
なんとも最近の作品の中では異種に分類され、好みがはっきりと
分かれる作品、最後まで見させていただいてズバリこう思います。
世間に目を向けてみるとどうやら風当たりは強いよう。・・・ですが、
じぶんは最後まで楽しめたし、何より、最初から最後まで一貫して
テーマをブレることなく貫き、ラストに静かに大きく盛り上げつつ、
ストンと綺麗に着地した所、素晴らしいと言わざるを得ません!!
これは山本寛さんを擁護するために言っている、とかではもちろん
なく、心から感じたことです。最近のアニメ作品は一貫したテーマ
を放物線上の物語で描いた後に落ちるべき箇所に落ちる、といった
当然のことが出来ないものが多いなと個人的に思いますからね。
閑話休題。
現実とのリンクについてですが、まさに本作はある意味で今の便利
になった社会への風刺であり、解決への展望を描ききっているなと
感じられます。便利になりすぎて忘れた心、無縁社会なんて言葉が
出てくるのがそれを裏付けてますよね。その今の社会への今後的な
あり方をも本作はテーマとして提示してくれていると思われますね。
と、まだまだ書き足りないことも恐らく後から後から出てくるとは
思いますが、今はここまでで全体俯瞰の総締めくくりとさせて頂き
たく思います。少し唐突ではありますがね・・・追々追記する予定です。
では最後に、最近には減ってきている本来のアニメーションの意味
を持った本作のような素敵なものを提供してくだされたスタッフの
方々、山本監督に心からの感謝を・・・
至高・思考・志向・試行
そんな"しこう"の作品を本当にありがとうございました!!
<過去記事>
・第1話 「出会い」
・第2話 「ネッサ」
・第3話 「グラニッツの村」
・第4話 「出発」
・第5話 「旅路」
・第6話 「最果ての町」
・第7話 「虚飾の街」
・第8話 「地下の秘密」
・第9話 「追いつめられて」
・第10話 「僧院へ」

でわまた。。。
・クレイン 小林ゆう ・大爺 西村知道
・フリュネ 津田美波 ・ダイダラ 松丸幸太郎
・ネッサ 花澤香菜 ・ゴーワン 白石 稔
・スンダ 浅沼晋太郎 ・兵士 倉富 亮
・エンリ 井口裕香 ・アラバスターの女 前田このみ
・モーラン 島本須美 ・老巫女 丸山ゆう
・バロー 宮本 充 ・アラバスターの兵 椙山貴夫
・サンコ 今野宏美
・タカミー 宮下栄治
・ディアス 前野智昭
【スタッフ】
・脚本 岡田麿里
・絵コンテ 山本 寛・吉岡 忍・牧原亮太郎
・演出 山本 寛
・作画監督 河合拓也・浅野直之
【オープニング・エンディングテーマ・挿入歌】
・OP :『ハリネズミ』 (歌:AZUMA HITOMI)
・ED :『Down By The Salley Gardens』(歌:AZUMA HITOMI)
・挿入歌:『昼の星』
【あらすじ】
フラクタル・システムを巡った激しい攻防。
システムの再起動を強行するモーラン、阻止しようとするディアス、
混乱の渦に巻き込まれたクレインは、ある重大な選択を託される……。
"この世界を好きになれるかも知れない"
すべてが自動化され、どこまでも便利が追求された世界、それを
人々は"楽園"と呼びました。その"楽園"を形成するフラクタルは
笑顔が一杯、好きが好き、そんな無垢な明るい少女の思いの結晶
によって紡がれた装置、だからこそ人々は"幸せ"を感じられる。
だがその幸せは、まるで無機質のような幸せ。感情豊かな少女の
結晶が紡ぎ出した幸せのはずなのに、いつの間にか優しく暖かい
"気持ち"が抜け落ち、上辺面の便利さ、つまり"楽さ"が"楽園"へ、
そしてそれが"幸せ"へと摩り替わってしまっていましたね。
そんな世界が嫌だったフリュネが、クレインのおかげでこの世界
を好きになれるかもと言ったことには大きな変化を感じることが
出来ますよね。上辺面じゃない"気持ち"を感じることが出来た事、
無機物さではなく、温もりを持った"幸せ"を感じられたこと・・・。
それが、フリュネの考えに、思いに大きな変化を与えたと。
出会ったあの日からこの瞬間までの時間、物語すべてには意味が
あり、少しずつ積み重ねられた思いが今、大きな変化をもたらす。
この世界にも大切な人は出来る、大切な思いを抱くことも出来る。
そしてそれを本気で守りたいと思うことが出来るんだ。
すでにそれらがフラクタルにより失われてしまった世界だけども、
でもフラクタルがあるからこそ失われた世界のどこかには対抗を
したいと思う人たちが出てこれる、"守りたい"気持ちを抱ける、
フラクタルが今壊れては、その対抗心から人間らしさを取り戻す
時間を与えるまもなく、大多数の人々は苦しむだけになる。でも
フラクタルがあれば、時間を稼ぐことが出来る。稼いでどうなる?
なにも変わらないのでは?いえ違う、フラクタルの恩恵にドップリ
浸かっていた人でも、きっかけがあれば変われるのだから、その
ような人に私はたくさんの気持ちをもらった、ねぇクレイン?
だからこの世界は、まだまだ紡ぎ出せる本当の幸せが一杯なのよ!!
まさにこういうことがあの"この世界を好きになれるかも知れない"
の言葉の裏側にはあるんじゃないかな、とじぶんは感じましたね。
"再起動後の世界"
再起動は果たしても、すでに僧院はなく、二度と再起動をすること
は出来ない、でも、時間はまだ何百年も残されている。その間に、
人々は人間らしさを取り戻し、無機質な幸せから温もりを持った
幸せを抱けるように・・・
フラクタルは再起動出来なくても、その与えられた猶予期間の内に
人間側の気持ちを再起動していけばいいだけの話、ですよね。
完全なる便利に支配された楽園的生活からの脱却は考えただけなら
難しいかも知れない、でもクレインを見ればいい、自炊。これだけ
でもすでに第一歩を踏み出せる。いきなり自作農業とかでなくていい。
分からない人には教えてあげればいい、また一歩前へと進めるよ。
そうして少しずつ、少しずつ前へと進んでいけばいいだけの話。
最後のエンリやクレインのシーンではそういうことをほんの一瞬の
描写だけで、すべてを物語ってくれてましたね。
"ありがとう、クレイン"
ありがとう。嬉しい、寂しい、悲しい、けど暖かい、
私、今幸せ。暖かい、優しい、嬉しい、触れる幸せ、
そこにいるのはフリュネではなくネッサ、ネッサでなくフリュネ、
二人は二人、そして三人でずっと一緒、こぼれ落ちたと思っていた
幸せは今目の前に帰ってきて、でも帰ってきてなくて。
感じる気持ちはたくさん溢れて、どれがホントかわからない、
でも、全部をひっくるめた答えだけは眼に見える、クレインの涙。
ここを見た時に感じることは人それぞれではないかと思うんですよね。
良かったな、と思う人。寂しいなと思う人。答えは示されぬまま、
ラストは写真でのクレインとかつてのフリュネの姿。
だからこそ迷う、感じる違いが出る。帰ってきてよかったね?
帰ってきたようで帰っては来なかった悲しいね?
ここは、視聴している皆さんが感じるままに結末を紡ぐ所ですよ。
<総括>
心温まる、それでいて今私達がいる現実世界ともリンクしている、
なんとも最近の作品の中では異種に分類され、好みがはっきりと
分かれる作品、最後まで見させていただいてズバリこう思います。
世間に目を向けてみるとどうやら風当たりは強いよう。・・・ですが、
じぶんは最後まで楽しめたし、何より、最初から最後まで一貫して
テーマをブレることなく貫き、ラストに静かに大きく盛り上げつつ、
ストンと綺麗に着地した所、素晴らしいと言わざるを得ません!!
これは山本寛さんを擁護するために言っている、とかではもちろん
なく、心から感じたことです。最近のアニメ作品は一貫したテーマ
を放物線上の物語で描いた後に落ちるべき箇所に落ちる、といった
当然のことが出来ないものが多いなと個人的に思いますからね。
閑話休題。
現実とのリンクについてですが、まさに本作はある意味で今の便利
になった社会への風刺であり、解決への展望を描ききっているなと
感じられます。便利になりすぎて忘れた心、無縁社会なんて言葉が
出てくるのがそれを裏付けてますよね。その今の社会への今後的な
あり方をも本作はテーマとして提示してくれていると思われますね。
と、まだまだ書き足りないことも恐らく後から後から出てくるとは
思いますが、今はここまでで全体俯瞰の総締めくくりとさせて頂き
たく思います。少し唐突ではありますがね・・・追々追記する予定です。
では最後に、最近には減ってきている本来のアニメーションの意味
を持った本作のような素敵なものを提供してくだされたスタッフの
方々、山本監督に心からの感謝を・・・
至高・思考・志向・試行
そんな"しこう"の作品を本当にありがとうございました!!
<過去記事>
・第1話 「出会い」
・第2話 「ネッサ」
・第3話 「グラニッツの村」
・第4話 「出発」
・第5話 「旅路」
・第6話 「最果ての町」
・第7話 「虚飾の街」
・第8話 「地下の秘密」
・第9話 「追いつめられて」
・第10話 「僧院へ」

でわまた。。。
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